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まんが日本昔ばなし

『まんが日本昔ばなし』

概要

『まんが日本昔ばなし』は、日本の昔話をアニメ化し、1975年から1994年までMBS・TBS系列で放送されたテレビアニメシリーズです。

制作

  • 制作会社:東京ムービー(現トムス・エンタテインメント)
  • 監督:勝田稔、やすみ哲夫
  • 脚本:吉田喜昭、雪室俊一

特徴

  • 1回15分の短編アニメで、毎週1話ずつ放送されました。
  • 日本全国の昔話を忠実に再現し、日本の伝統文化や風習を楽しくわかりやすく子供たちに伝えました。
  • 特徴的な語り口と、コミカルで愛らしいキャラクターが人気を集めました。

キャラクター

  • じいさん:昔話の語り手。
  • ばあさん:じいさんの妻。
  • おみっちゃん:じいさんばあさんの孫娘。
  • さるさん:いたずら好きでおしゃべりなサル。
  • きつねさん:ずる賢く、欲張りなキツネ。
  • たぬきさん:化かし上手なたぬき。

主題歌

  • オープニングテーマ:『まんが日本昔ばなし』
    • 作詞:吉田喜昭、作曲:越部信義、歌:吉幾三
  • エンディングテーマ:『小さな世界』
    • 作詞・作曲:シャーマン兄弟、訳詞:岩谷時子、歌:ボニージャックス

エピソード

『まんが日本昔ばなし』では、約1300話の昔話がアニメ化されました。以下は代表的なエピソードです。

  • 『桃太郎』
  • 『浦島太郎』
  • 『カチカチ山』
  • 『鶴の恩返し』
  • 『花咲か爺さん』
  • 『おむすびころりん』
  • 『かぐや姫』
  • 『俵藤太』

受賞歴

『まんが日本昔ばなし』は、その高い教育的価値と文化的意義が評価され、以下の賞を受賞しています。

  • 日本PTA全国協議会推薦番組賞(1976年)
  • 日本子供テレビ番組コンクールグランプリ(1977年)
  • 国際エミー賞(1977年)

影響

『まんが日本昔ばなし』は、日本のアニメーション史において重要な作品であり、以下の点で大きな影響を与えました。

  • 日本の昔話文化の普及と保存
  • 子供たちの情操教育に貢献
  • アニメーションにおける教育的価値の向上
  • 日本アニメの海外進出への道筋づくり

現代の意義

『まんが日本昔ばなし』は、放送終了後も再放送やDVD化を通じて親しまれています。現代においても、日本の伝統文化や道徳教育に役立つ貴重な作品とされています。

参考URL:
まんが日本昔ばなしと世界の童話のすべて

さるやの石

まんが日本昔ばなし『さるやの石』

あらすじ

昔、山奥に貧しい夫婦が住んでいました。夫婦には子どもはおらず、いつも食料に困っていました。ある日、夫が山でサルを見かけます。サルは何かを大事そうに持っていました。

夫がサルに近づくと、サルは持っていた石を夫に渡し、どこかへ行ってしまいました。夫が石を持って家に帰ると、妻は「なんじゃこりゃ」と不思議がります。

次の日、夫婦が畑仕事をしていると、近くの井戸から声がします。「お水を汲んでおくれ」。夫婦は井戸を覗き込むと、石が井戸の中で喋っていました。

夫婦は不思議に思いながら石を引き上げると、なんとそれは立派な米俵に変わっていたのです。夫婦は大喜びで米を売り、裕福な暮らしを送るようになりました。

登場人物

  • 貧しい夫婦
  • サル
  • 井戸の石(米俵)

教訓

  • 人を助ければ、自分が助かることがある。
  • どんなものでも、価値あるものになる可能性がある。
  • 善行は報われる。

作品背景

  • 日本昔話に基づく物語。
  • 『まんが日本昔ばなし』の第142話として放送された。
  • 1982年10月3日に放送。
  • 声優:麻生みつ子、滝口順平、野沢雅子

類似した昔話

  • 「こぶとりじいさん」
  • 「浦島太郎」
  • 「舌切り雀」

不思議なコマ犬

まんが日本昔ばなし『不思議なコマ犬』

あらすじ:

昔々、ある村に遊び好きで勉強が嫌いなタケルという少年がいました。ある日、タケルは村の寺で奇妙なコマ犬に出会います。コマ犬はタケルに「勉強せよ」と言って、タケルの頭上にフンをしました。

タケルは怒ってコマ犬を蹴り飛ばそうとしましたが、コマ犬は頑丈でびくともしません。すると突然、コマ犬はしゃべり出し、「お前は毎日寺に通って勉強しろ。そうすればこのフンは消える」と言います。

タケルは渋々コマ犬の言葉に従って、毎日寺に通って勉強しました。すると、コマ犬のフンが少しずつ小さくなっていきました。ある日、タケルのテストの結果が良かったので、コマ犬はタケルの頭上からフンをすべて取り去り、「よくやった」と褒めました。

教訓:

  • 勉強は大切である。
  • 困難に直面してもあきらめないこと。
  • 人に親切にすること。

登場人物:

  • タケル: 遊び好きで勉強が嫌いな少年
  • コマ犬: タケルの頭上にフンをした奇妙な動物
  • 村人: タケルの行動を心配する人々

舞台:

昔の日本にある村

制作:

  • 原作: 佐々木光
  • 絵: 鈴木義司
  • 監督: 勝間田具治
  • 音楽: 小六禮次郎
  • 制作会社: 日本アニメーション

放送:

1975年3月2日にフジテレビで放送されました。

猫岳の猫

「まんが日本昔ばなし」『猫岳の猫』

あらすじ

ある村に住む源次という男は、普段は気弱だが、酒が入ると強気になる性格だった。ある日、酒に酔った源次は、村の北にある「猫岳」へ仕返しに登ろうとする。

猫岳には、美しい顔の「猫又」が住んでおり、村人から恐れられていた。源次は猫又の屋敷に忍び込み、酒樽に小便をしたり、寝ている猫又の顔に落書きをしたりして悪ふざけをする。

しかし、翌朝、酒が醒めて正気に戻った源次は、自分のしたことに後悔する。しかし、遅かった。猫又は激怒し、源次の村へ襲撃を開始した。

村人たちは必死に戦うが、猫又の力は強大で、次々と倒されていく。源次も猫又に立ち向かうが、返り討ちにされてしまう。

一方、猫岳のふもとに住む老婆は、源次の悪行を知っていた。老婆は猫又に同情し、村人たちが悪かったと説得する。すると、猫又は怒りを鎮め、村人たちの命を助ける。

その後、源次は改心し、二度と猫岳への仕返しを企てることはなかった。

登場人物

  • 源次:気弱で酒癖の悪い男
  • 猫又:猫岳に住む美しい顔の化け猫
  • 老婆:猫岳のふもとに住む老婆

教訓

  • いたずらや悪ふざけは、思わぬ結果をもたらすことがある。
  • 過ちは誰にでも起こるものであり、謝罪と改心を通じて許しを得ることができる。

ふとんの話

『ふとんの話』あらすじ

昔、ある貧乏な村に、正直で勤勉な貧乏長者が住んでいました。しかし、彼はいつも寒さに震えており、満足な布団を持っていませんでした。

ある日、貧乏長者は森で不思議な老婆に会い、自分の願いを叶えてくれると言われます。老婆は、貧乏長者に家に帰って布団を一枚用意するように言い、その布団に不思議な呪文をかけます。

貧乏長者は家に帰ると、老婆の言った通りに布団を一枚用意しました。老婆が呪文をかけると、布団はみるみるうちに分厚くふわふわの美しい布団になりました。

貧乏長者は喜び勇んで布団に潜り込みましたが、不思議なことに、この布団は凍えるような寒さと暑さを交互に繰り返すのです。貧乏長者は震えたり汗をかいたりしながら、一晩中眠れませんでした。

朝になると、貧乏長者は老婆の所へ戻り、布団の呪いを解いてくれるよう頼みます。すると老婆は、この布団は「貧乏長者の布団」と呼ばれ、貧乏長者が裕福になるまでこのように寒い思いをしなければならないのだと説明します。

貧乏長者は仕方なく布団を持ち帰り、何年も寒さと暑さに耐えながら使いました。ある日、貧乏長者は重労働によって大金を蓄え、裕福になりました。すると、布団は呪いが解けたかのように普通になり、貧乏長者は初めて安らかな睡眠を取ることができました。

教訓

この話は、すぐに楽をしようとするのではなく、辛抱強く努力を重ね続けることの大切さを教えてくれます。また、富はしばしば苦労の末に得られるものであり、真の豊かさは物質的な財産ではなく、自分自身を支える力にあることを示唆しています。

虹の渡し舟

「虹の渡し舟」

あらすじ

ある村に、3人の悪者がいました。彼らは金持ちになりたくて、川向こうの布袋様の祠に宝があるという噂を聞きました。しかし、川を渡る橋はありません。

その夜、悪者たちは空に虹がかかっているのを見つけ、それを橋にして祠まで行こうとします。ところが、虹は「お金持ちではない人しか渡せない」と言って彼らを拒みます。

諦めない悪者たちは、村人をだましてお金を集め、裕福なふりをして虹を渡ろうとします。しかし、虹は彼らの悪事を透視し、再び拒みます。

最後に、村一番の貧しい老婆がやってきて虹を渡ることができました。祠に着いた老婆は、布袋様からたくさんの米を受け取り、村人に分け与えました。

テーマ

  • 善行が報われる
  • 欲深さは良くない
  • 外見ではなく、心根が大切

登場人物

  • 3人の悪者
  • 貧しい老婆
  • 布袋様

象徴

  • 虹: 希望、神の導き
  • 祠: 神聖な場所、財宝
  • お金: 欲望、貪欲
  • お米: 豊かさ、感謝

制作秘話

  • この話は日本の民話に基づいています。
  • テレビアニメシリーズ「まんが日本昔ばなし」の1エピソードとして1975年に放映されました。
  • 監督は高畑勲、脚本は宮沢章夫、作画は近藤喜文が担当しました。

影響

  • 「虹の渡し舟」は、日本国内外で広く知られるようになった昔話です。
  • この話は、道徳教育や倫理観の形成に役立てられています。
  • また、アニメーションの傑作としても高く評価されています。

播磨のめっかい

「播磨のめっかい」

あらすじ

昔、播磨の国にめっかい(お節介)で有名な男がいました。ある日、この男は道端で苦しそうにしている鷹を見つけ、助けてあげます。鷹は男に礼を言い、お礼に魚の釣り方を教えます。

男は早速教えられた通りに魚釣りをしますが、なかなか釣れません。すると、めっかいが次々とやってきてはアドバイスをします。

「餌を変えてみたら?」
「竿の角度を変えてみたら?」
「もっと沖まで投げてみたら?」

しかし、めっかいのアドバイスはことごとく裏目に出て、男はついに腹を立ててしまいます。

「うるさい!もういいよ!」

男はめっかいを追い払いますが、その後もめっかいはしつこくやってきては魚釣りのアドバイスを続けます。ついに我慢の限界に達した男は、鷹にこう言います。

「このめっかいをどこか遠くへ連れて行ってくれ!」

鷹はめっかいを背中に乗せると、どこまでも遠くへ飛んで行ってしまいました。

教訓

この昔話は、次のような教訓を伝えています。

  • お節介は迷惑になることがある。
  • 人の助言はありがたく受け取るべきだが、過度な干渉は避けるべき。
  • 限界を超えた無理強いをすると、逆効果になることがある。

その他

  • 「めっかい」とは、「お節介」や「口うるさい」という意味の方言です。
  • この昔話は、室町時代に書かれた『今昔物語集』に収録されている「播磨の男鷹を飼ふ語」が元になっています。
  • 『まんが日本昔ばなし』では、1975年12月26日に放送されました。

三合ばば

『三合ばば』

あらすじ

むかしむかし、お婆さんがいました。ある日、お婆さんは村でひどい空腹に苦しんでいました。村人にはお婆さんに食べ物をあげる余裕がなく、お婆さんは村はずれの森に入りました。

森の中で、お婆さんは小さな小屋を見つけました。小屋の中には、三人の子供たちが住んでいました。子供たちは、「お婆さん、お腹がすいているの?」と尋ねました。お婆さんはうなずきました。

子供たちは、大きな鍋に三種類の料理(ご飯、汁、漬物)を入れました。お婆さんはその料理を喜んで食べましたが、食べ終わると、鍋の中身がすべて無くなっていました。

子供たちは「お婆さん、もう一度食べたいなら、今度は鍋に三つの物を入れなければいけないよ」と言いました。お婆さんは、小屋の前にあった石、木、藁を入れて鍋にかけました。

すると、鍋の中から同じ三種類の料理が出てきました。お婆さんは何度も料理を食べましたが、鍋の中身は決して減りませんでした。

お婆さんは、このことは村人に秘密にしておこうと考えました。しかし、お婆さんは村で三合(一合は現在の約180ml)のお米を毎日食べるようになりました。村人は不思議に思い、お婆さんを尾行しました。

お婆さんが森の小屋に入るのを目撃した村人は、中を覗き込みました。そこで、お婆さんが魔法の鍋を持っていたことを知りました。村人たちは鍋を奪い、自分たちも三合のお米を食べました。

しかし、村人たちが鍋に別の物を入れようとすると、鍋は何も料理しませんでした。村人たちは魔法の鍋を失い、お婆さんは村はずれでひっそりと暮らすことになりました。

教訓

  • 人助けは美徳であり、報われる。
  • 貪欲は身を滅ぼす。
  • 秘密は守るべきものである。

エビとカラス

エビとカラス

あらすじ:

昔、池に住むエビが、カラスに襲われそうになりました。エビは必死に逃げましたが、カラスは執拗に追いかけてきました。すると、エビは池の底に隠れていた亀に助けを求めました。

亀はカラスに、「このエビは私の大切な友だちだ。決して渡さない」と言いました。カラスは亀の頑固さに諦め、空に飛び去りました。

エビは亀に感謝し、「いつか恩返しします」と約束しました。

その後:

ある日、亀が漁師の網に引っかかってしまいました。エビはカラスの真似をして、空高く舞い上がり、漁師の網を引きちぎりました。亀は無事に助かり、エビは約束を果たしました。それからは、エビとカラスは仲の良い友達になりました。

教訓:

  • 困っている人がいたら、助けてあげよう。
  • 約束は守ろう。
  • サイズや力に関係なく、どんな小さな存在でも誰かを助けることができる。

隠れ島の婿さま

あらすじ

貧しい百姓の娘・おゆきは、幼い頃に出会った若者に恋をしていました。しかし、その若者は貧しくて身分違いとされ、結婚を許されませんでした。

ある日、おゆきの村に謎の船が到着し、船乗りたちが「隠れ島」の婿を探していると告げました。隠れ島は、豊かな土地で裕福な人が暮らすという伝説の島でした。

おゆきの父は、貧しい若者を婿に迎えようと目論み、おゆきを隠れ島の婿探しに送り出しました。しかし、隠れ島はそう簡単に見つかりませんでした。

おゆきは旅の途中で、貧しい老婆と出会い、親切にしました。老婆は、おゆきがたどり着く島の名前を教えてくれました。

おゆきがたどり着いた島は、名前の通り「隠れ島」でした。しかし、島の人たちは貧しく、裕福な人物などいませんでした。おゆきは絶望し、帰ろうとしました。

しかし、そのとき「貧しい若者を探している」という声が聞こえてきました。声をたどっていくと、おゆきは離れ小島で貧しい若者を見つけました。

若者は、おゆきが幼い頃に出会った恋人で、昔と変わらず貧しい暮らしをしていました。おゆきは、身分違いを気にせず、若者と結婚することにしました。

二人は隠れ島で幸せに暮らしました。そして、隠れ島の貧しい人々は、二人の親切に感化され、助け合うようになりました。

教訓

  • 身分や貧富に関係なく、愛は真実である。
  • 親切心は、予想外の幸せをもたらすことがある。

荒坂長者

「荒坂長者」

あらすじ

昔々、荒坂という貧しい村に、長者と呼ばれる裕福な男が住んでいました。しかし、長者はとてもケチで、自分の財産を独り占めしていました。

ある日、長者が山奥で迷子になり、一軒の貧しい家に助けられました。そこで、長者は老婆に親切にもてなされました。老婆は自分の持っていた唯一の餅を長者に分け与えようとするほどでした。

その優しさに心を打たれた長者は、自分のケチな性格を反省しました。そして、老婆に「もしこの先、何かよいことがあったら、必ず恩返しをする」と約束しました。

その後、長者は自宅に戻り、自分の財産を貧しい人々に分け与え、一緒に暮らすようになりました。すると、村には幸いが訪れ、毎年豊作が続き、荒坂村は裕福な村になりました。

登場人物

  • 荒坂長者 (大金持ち): ケチで自分勝手な性格。
  • 老婆 (貧しい): 優しく親切な老婆。
  • 貧しい人々: 荒坂長の者によって財産を分け与えられた人々。

教訓

  • 施すものに福来たる: 他人に親切にすると、自分も幸運に恵まれる。
  • ケチは損: 自分勝手な振る舞いは、最終的に自分自身を傷つける。
  • 感謝の気持ちの大切さ: 他人からの親切に感謝することは、人間としての徳を育む。

その他のポイント

  • この話は、日本の「因果応報」の概念に基づいています。善行には善報があり、悪行には悪報がある。
  • 「荒坂長者」は、江戸時代に成立した説話であり、多くの民話集に収録されています。
  • まんが日本昔ばなしでは、「荒坂長者」は第626話としてアニメ化されています。