「播磨のめっかい」
あらすじ
昔、播磨の国にめっかい(お節介)で有名な男がいました。ある日、この男は道端で苦しそうにしている鷹を見つけ、助けてあげます。鷹は男に礼を言い、お礼に魚の釣り方を教えます。
男は早速教えられた通りに魚釣りをしますが、なかなか釣れません。すると、めっかいが次々とやってきてはアドバイスをします。
「餌を変えてみたら?」
「竿の角度を変えてみたら?」
「もっと沖まで投げてみたら?」
しかし、めっかいのアドバイスはことごとく裏目に出て、男はついに腹を立ててしまいます。
「うるさい!もういいよ!」
男はめっかいを追い払いますが、その後もめっかいはしつこくやってきては魚釣りのアドバイスを続けます。ついに我慢の限界に達した男は、鷹にこう言います。
「このめっかいをどこか遠くへ連れて行ってくれ!」
鷹はめっかいを背中に乗せると、どこまでも遠くへ飛んで行ってしまいました。
教訓
この昔話は、次のような教訓を伝えています。
- お節介は迷惑になることがある。
- 人の助言はありがたく受け取るべきだが、過度な干渉は避けるべき。
- 限界を超えた無理強いをすると、逆効果になることがある。
その他
- 「めっかい」とは、「お節介」や「口うるさい」という意味の方言です。
- この昔話は、室町時代に書かれた『今昔物語集』に収録されている「播磨の男鷹を飼ふ語」が元になっています。
- 『まんが日本昔ばなし』では、1975年12月26日に放送されました。