「荒坂長者」
あらすじ
昔々、荒坂という貧しい村に、長者と呼ばれる裕福な男が住んでいました。しかし、長者はとてもケチで、自分の財産を独り占めしていました。
ある日、長者が山奥で迷子になり、一軒の貧しい家に助けられました。そこで、長者は老婆に親切にもてなされました。老婆は自分の持っていた唯一の餅を長者に分け与えようとするほどでした。
その優しさに心を打たれた長者は、自分のケチな性格を反省しました。そして、老婆に「もしこの先、何かよいことがあったら、必ず恩返しをする」と約束しました。
その後、長者は自宅に戻り、自分の財産を貧しい人々に分け与え、一緒に暮らすようになりました。すると、村には幸いが訪れ、毎年豊作が続き、荒坂村は裕福な村になりました。
登場人物
- 荒坂長者 (大金持ち): ケチで自分勝手な性格。
- 老婆 (貧しい): 優しく親切な老婆。
- 貧しい人々: 荒坂長の者によって財産を分け与えられた人々。
教訓
- 施すものに福来たる: 他人に親切にすると、自分も幸運に恵まれる。
- ケチは損: 自分勝手な振る舞いは、最終的に自分自身を傷つける。
- 感謝の気持ちの大切さ: 他人からの親切に感謝することは、人間としての徳を育む。
その他のポイント
- この話は、日本の「因果応報」の概念に基づいています。善行には善報があり、悪行には悪報がある。
- 「荒坂長者」は、江戸時代に成立した説話であり、多くの民話集に収録されています。
- まんが日本昔ばなしでは、「荒坂長者」は第626話としてアニメ化されています。